静音除湿機ってどんなもの?選ばれる理由とは
除湿機を選ぶとき、「静音性」を重視する人は意外と多いものです。
とくに寝室やワンルーム、在宅勤務の部屋など、音が気になりやすい空間で使う場合、運転音が静かなことはとても重要なポイント。一般的な除湿機の運転音は40〜50dB程度ですが、「静音モード」などを搭載した機種では30dB前後まで抑えられるものもあります。
30dBというのは「ささやき声」や「木の葉が触れ合う音」といった静かさで、睡眠を妨げたり、作業中に気になることも少なくなるレベルです。
また、最近の静音モデルは音だけでなく、除湿能力や省エネ性、衣類乾燥モードなどの機能も充実しており、「使い心地の良さ」で選ばれることも増えてきました。
家電の音に敏感な方や、小さなお子さん・ペットと暮らしている方にもぴったりの選択肢です。
除湿機の運転音はどこで差がつく?
除湿機の方式には大きく分けて以下の3つがあります。
方式 | 特徴 | 静音性 | おもな価格帯 |
---|---|---|---|
コンプレッサー式 | 空気を冷却して水分を取り除く/パワーが強く電気代が安め | やや大きめ(新型は静音モデルも) | 約15,000〜35,000円 |
デシカント式(ゼオライト式) | ヒーターで乾燥材を温め除湿/寒い場所や冬にも強い | とても静か | 約18,000〜30,000円 |
ハイブリッド式 | 季節に応じて上記2方式を切替/高機能・通年使える | 機種により静音モードあり | 約30,000〜50,000円 |
コンプレッサー式
もっとも一般的な方式で、冷却器に空気中の湿気を集めて水分に変える仕組みです。除湿力が高く、電気代が比較的安く済む点がメリットとされており、広いリビングや湿気の多い部屋など、パワーが必要な場面で特に重宝されています。
コンプレッサー式は、気温が高いほど効率よく除湿できる性質があるため、梅雨時や夏場の使用に特に適しています。さらに、水タンクの容量が大きめな製品が多く、頻繁な排水の手間も少なくて済みます。
ただし、コンプレッサー(圧縮機)の振動音や駆動音が大きくなりやすく、「音が気になる」という声も少なくありません。特に古いモデルや低価格帯の製品では、運転音が部屋に響きやすい場合があります。
そのため、音に敏感な方や寝室で使いたい方は、静音設計にこだわったモデルを選ぶのがポイント。最近では振動吸収構造や防音パネルを採用した静音モデルも増えてきており、寝室向けのコンプレッサー式も多く登場しています。
デシカント式
ヒーターを使って乾燥材を温め、水分を吸着・放出させる仕組みで除湿を行うのがデシカント式の特徴です。コンプレッサーを使わないため、運転音が非常に静かで、夜間の使用や在宅ワーク中など、音を気にせず使いたい場面に適しています。
寒い時期でも除湿能力が落ちにくく、冬場でも安定して使える点が大きな強みです。コンプレッサー式に比べて室温に左右されにくいため、冬の結露対策や北向きの部屋での使用にもぴったりです。小型でスリムなモデルも多く、設置スペースが限られている場合でも扱いやすいのも魅力のひとつ。
一方で、デメリットもあります。ヒーターを使って動作するため消費電力はやや高めで、電気代が気になる方には注意が必要です。また、使用中に温風が出るため、室温が上がりやすくなります。特に夏場に使用する場合は、室内が暑く感じられることがあるため、冷房との併用が推奨されることも。
そのため、デシカント式は「冬向け」「静音重視」の使用シーンに向いており、年間を通して使いたい場合は使用時期を考慮しながら選ぶことが大切です。
ハイブリッド式
上記2つの仕組みを組み合わせたタイプで、季節や室温に応じて自動的に方式を切り替えながら運転するのがハイブリッド式の特徴です。夏場にはパワフルなコンプレッサー式、冬場には静かで寒さに強いデシカント式として機能するため、年間を通して快適に使用できるのが大きな魅力です。
特に梅雨時から秋口、さらに結露が気になる冬のシーズンまで、除湿ニーズが高まるタイミングにあわせて最適な運転方式を自動で選んでくれるため、使用者側の手間が少なく済みます。気温の変化が激しい地域や、年中安定した湿度管理をしたい方におすすめの方式です。
価格はやや高めではあるものの、そのぶん機能性が非常に高く、省エネ性能や衣類乾燥、空気清浄といった多機能モデルも豊富。中にはセンサー付きで自動停止や湿度管理までしてくれるモデルもあり、利便性と快適性を兼ね備えた上位機種として支持されています。
音に関しては機種により差がありますが、静音性にも配慮された製品が多く、運転モードを切り替えることで静音運転に対応できるモデルも増えています。夜間は静かに、日中はパワフルにと使い分けできる点も、ハイブリッド式の大きな利点といえるでしょう。
静音除湿機はどんな人におすすめ?
静音除湿機は、以下のような人に特におすすめです。
- 夜間に使いたい人(寝室で音が気になる)
- 赤ちゃんや小さな子どもと暮らしている家庭
- ペットが音に敏感な家庭
- ワンルームで生活空間と寝室が一緒になっている人
- 在宅勤務で会議や録音、集中作業が多い人
生活音に敏感なシーンでは、数dBの違いが意外とストレスに。静音モデルなら、「つけていることを忘れる」ほど快適な環境を作ることができます。
静かで快適!除湿機おすすめ5選【徹底比較】
ここでは、「音が気にならない」と評判の除湿機を5つ厳選してご紹介します。
比較表で特徴をざっくりつかんでから、気になるモデルを詳しくチェックしてみてください。
① シャープ CV-N71
運転音は「ささやき声」程度と非常に静かで、寝室や子ども部屋のような、音に敏感な場所での使用にも安心して選べるモデルです。特に夜間の運転でもストレスを感じにくく、赤ちゃんのいる家庭や在宅勤務中の作業部屋などにもぴったりの静音性を誇ります。
また、洗濯物の部屋干しにも対応しており、静かにしっかりと除湿・乾燥してくれる点が好評です。洗濯物を乾かす際にゴーッという騒音がないため、乾燥中も落ち着いて過ごせるのが魅力。運転モードの切り替えもシンプルで、初心者にも扱いやすい設計です。
除湿効率と静音性のバランスがよく、部屋の広さに応じた適正な除湿力も備えているため、日常使いに非常に適しています。さらに、価格も中間帯で手に取りやすく、初めて除湿機を導入したいという方にもおすすめの一台です。
② パナソニック F-YHVX90
ハイブリッド式で、冬はデシカント・夏はコンプレッサーという2つの方式を自動で切り替えて運転できる万能タイプです。これにより、気温や湿度に合わせて最適な方式で除湿が行えるため、1年を通じて快適に使えるのが大きな魅力。たとえば、夏の蒸し暑い日にはパワフルなコンプレッサー式で素早く除湿し、冬場の寒い日にはデシカント式で効率よく湿気を取り除くことができます。
静音性にも配慮されており、運転音はささやくような33dB台からと非常に静かです。夜間や在宅勤務中など、音が気になるシーンでもストレスなく使えます。さらに「静音モード」搭載により、より穏やかな運転音に切り替えることも可能です。
清潔機能として、空気中の菌やニオイの抑制が期待できる「ナノイーX」も搭載されており、部屋干し時の嫌なニオイ対策としても活躍します。除湿だけでなく、空気環境の快適性にも配慮された多機能モデルとして、多くのユーザーに支持されている1台です。
③ アイリスオーヤマ DCE-6515
コスパで選ぶならこれが断然おすすめです。1万円台という手頃な価格帯で購入できるにもかかわらず、6.5L/日というしっかりとした除湿能力と、静音運転のバランスが優れている点が大きな魅力です。
運転音は比較的控えめで、寝室や勉強部屋など静けさを求める空間でも快適に使えます。さらに、静音モードが搭載されているため、使用環境に応じて音量を抑えた運転に切り替えることも可能です。
本体は軽量かつコンパクトな設計で、キャスターや持ち手付きのモデルであれば移動もスムーズ。家中どこでも除湿したいという人にもぴったりです。小型ながらも除湿力は十分なので、一人暮らしやサブ機としての使用にも適しています。
操作もシンプルで直感的に扱えるため、初めて除湿機を使うという方にも安心。コンパクトで場所を取らず、収納時にも困らない点も高く評価されています。コストを抑えつつ、基本性能と静音性をしっかり確保したい方には最適な1台です。
④ コロナ CD-P63A
寝室での使用に特化した設計で、低騒音設計が特徴のモデルです。運転音が非常に静かで、夜間の就寝中でも動作音が気になりにくく、睡眠の妨げになりません。さらに、操作音も控えめに設計されており、ボタンを押した際のピッ音なども静かめで、音に敏感な方や赤ちゃんのいる家庭でも安心して使えます。
除湿能力は6.3L/日と、日常的な湿気対策としては十分な性能を備えています。部屋干しの補助や寝室のカビ防止、結露対策など、さまざまな用途に対応可能です。
また、サイズ感もコンパクトで、圧迫感なく室内に置けるのもうれしいポイント。軽量設計で移動もしやすく、キャスター付きのモデルであれば掃除のときもラクに移動できます。全体として、静音性と実用性をバランスよく両立したモデルといえるでしょう。
⑤ 三菱 MJ-P180SX
除湿力重視の方におすすめの1台で、1日あたり15Lを超える大容量の除湿が可能なモデルです。これだけのパワーがありながら、静音性も高く評価されており、動作音を気にせず快適に使用することができます。特に家族の多い家庭や、湿気がこもりやすい広めのリビングでも、しっかりと湿気を取り除いてくれる頼れる存在です。
また、洗濯物の部屋干しが多い家庭にとっては、梅雨や夏場のジメジメした時期でも安心して使える点が魅力。強力な除湿力で短時間でカラッと乾燥できるため、部屋干しのニオイ対策にも効果的です。
さらに、大容量にもかかわらず操作がシンプルで、除湿モードの切り替えやタイマー設定なども直感的に行える設計になっており、扱いやすさも兼ね備えています。水タンクも大きめで排水の手間が少なく済み、日常使いのストレスも軽減。
静かに、でもしっかり除湿したいというニーズに応えてくれる、機能性と快適性を両立したモデルといえるでしょう。
静音除湿機を選ぶときのポイントは?
“静音モード”の有無をチェック
製品によっては、静音モードをONにすることで通常よりも運転音を10dB近く下げられることもあり、かなりの音の差を体感できます。音の感じ方には個人差がありますが、10dBの差は一般的に「音量が半分になったように感じる」ほど大きな変化です。
普段はパワフルなモードで効率的に除湿し、寝る前や夜間など静けさを重視したいときだけ静音モードに切り替えるという使い方がおすすめ。時間帯や部屋の使い方に応じて、柔軟にモードを切り替えることで、快適な除湿環境が保てます。
除湿能力と音のバランスを見る
静かでも除湿力が弱すぎると意味がありません。快適な静音性を保ちつつ、しっかりと湿気を取り除ける除湿能力を持っているかが重要です。適用畳数と使用目的(寝室・衣類乾燥・リビング用など)を明確にして選ぶことがポイントになります。
たとえば、寝室では静かさを最優先しつつ、6〜8畳ほどの空間に対応できる除湿力が必要ですし、リビングで使うなら10畳以上の広い空間を想定してパワーのある機種を選ぶ必要があります。使用する部屋の広さだけでなく、部屋干し頻度や湿度レベルなども考慮して、バランスの取れたモデルを選びましょう。
タイマーやキャスターなど快適機能にも注目
静音だけでなく、快適に使うためにはタイマーやキャスター付きなどの細かい仕様もチェックが必要です。タイマー機能があれば、就寝時や外出時にも安心して使うことができ、省エネにもつながります。キャスターが付いているタイプであれば、部屋間の移動や掃除の際にも手軽に移動できるため、使い勝手が格段に良くなります。
また、操作音のオン・オフが設定できる機種かどうかも要確認です。設定時の「ピッ」という音が意外と気になるケースも多く、消音モードがあれば夜間の使用にも最適です。こうした細やかな仕様に気を配ることで、静音性だけでなく、よりストレスの少ない快適な使用感を実現できます。
静音性にこだわるなら「ここもチェック!」
単に”dB値”が小さいというだけでは快適とは限りません。以下のような”音の質”や”使用環境”も静音性に影響します。
- 風の音が気になるか? → ファンの構造により音の種類が異なります。
- 吸気口・排気口の位置や形状 → 音がこもる/響くことも。
- 設置場所の素材 → フローリングや壁際は音が反射しやすいため、カーペットや吸音マットで緩和できます。
- 操作音・ピッ音の有無 → 設定音が消せるタイプなら夜も安心。
こうした「生活の中で感じる静かさ」も、製品選びの判断材料にしてみましょう。
よくある疑問Q&A
Q1:本当に音が気にならない?
⇒ 機種によりますが、30〜35dB台のモデルなら日常生活の中でほとんど気にならないレベルです。テレビの音やエアコンの風音より静かなことも。
Q2:静音性と除湿力、どちらを優先すべき?
⇒ 使用シーンによります。寝室なら静音性、リビングや浴室の除湿ならパワーを重視するのがおすすめ。中間を取るなら静音モード付きが◎。
Q3:寝てる間もつけっぱなしで大丈夫?
⇒ タイマー機能や自動停止機能があるモデルなら安心して使えます。水タンクの容量もチェックしておきましょう。
Q4:在宅勤務の部屋でも使える?
⇒ 通話や動画視聴が中心の作業なら問題なし。配信や録音など音に敏感な作業なら30dB台を目安に。
Q5:除湿機と空気清浄機はどちらを先に買うべき?
⇒ 湿気やカビ対策が急務な状況であれば、まずは除湿機を優先して導入するのが効果的です。湿度を下げることによってカビの発生やニオイの発生を抑えることができ、住環境の改善に直結します。一方で、空気中のホコリや花粉、ウイルス対策もしたい場合には空気清浄機も有効ですが、最近では除湿機と空気清浄機の機能を両立したモデルも登場しています。
スペースや予算に余裕がある場合は別々に導入するのもよいですが、設置場所や手間を考慮するなら、こうした多機能モデルを選ぶのもおすすめです。自分の暮らしの中で、どの機能を優先したいかを明確にして選ぶと◎です。
まとめ|静音除湿機は「生活音の中でも気にならない」が基準
静音除湿機を選ぶときのコツは、「静かすぎるかどうか」よりも「普段の生活音と比べて気になるかどうか」です。
テレビや換気扇、エアコンの音と調和する程度の静かさなら、ほとんどの場面で快適に使えるはず。音に敏感な方や赤ちゃんと暮らしている方、夜間や在宅ワーク中にも安心して使える静音除湿機。
除湿力や機能性も含めて、自分の暮らしに合った1台を見つけてみてくださいね。